🧩 CPUやGPUに目が行きがちですが、実はマザーボード(Motherboard)こそ自作PCの“土台”。すべてのパーツがここに接続され、データと電力のハブとして機能します。この記事では、完全初心者でも迷わないように役割・サイズ規格・チップセットの違い・スロットの見方・メモリ速度・つまずきやすいポイントまでを一気に整理。筆者が実際に使っているB760マザボ実例も交えて解説します。
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🧠 マザーボードの役割とは?
マザーボードはPC全体をコントロールする司令塔。CPU・メモリ・GPU・SSD・電源・ファンなど、あらゆるパーツのやり取りがここで行われます。
| パーツ | 接続箇所(例) | ポイント |
|---|---|---|
| CPU | CPUソケット(Intel=LGA1700 / AMD=AM5 など) | 対応ソケットが一致しないと物理的に装着不可 |
| メモリ | DIMMスロット(DDR4 / DDR5) | 規格は混在不可。本数・最大容量も要確認 |
| GPU | PCIe x16 スロット | 最上段がCPU直結。帯域と物理強度に注目 |
| SSD | M.2(NVMe)/ SATA | M.2の本数・世代(PCIe4/5)で速度・拡張性が変わる |
| 電源 | 24ピン(メイン)+8ピン(CPU) | CPU補助電源の挿し忘れに注意 |
| 冷却 | FAN / AIOポンプ端子・RGB端子 | 本数と配置で静音性・温度管理が変わる |
📐 マザーボードのサイズ(フォームファクタ)
サイズはケースの適合・拡張性・価格に直結します。初心者はバランスの良いMicro-ATX(mATX)がおすすめ。
| 規格 | サイズ目安 | 特徴 |
|---|---|---|
| ATX | 約30×24cm | 拡張スロット豊富。ハイエンド向け・大型ケース |
| Micro-ATX(mATX) | 約24×24cm | 拡張性と価格のバランス◎。初心者に最適 |
| Mini-ITX | 約17×17cm | 超小型PC向け。拡張性は低いが省スペース |
⚙️ チップセットの違い(Intel / AMD)
チップセットは機能と拡張性の土台です。USBやM.2の数、OC対応などが変わります。
🔵 Intel(LGA1700世代)
| チップセット | 特徴 | 向いているユーザー |
|---|---|---|
| B760 | コスパ重視。ゲーム・配信に必要十分 | i5〜i7中心の汎用ゲーマー |
| Z790 | OC対応・拡張性最強・高速メモリ対応が手厚い | ハイエンド・長期運用・拡張重視 |
🟥 AMD(AM5世代)
| チップセット | 特徴 | 向いているユーザー |
|---|---|---|
| B650 | 価格性能比◎。PCIe 5.0対応もあり | Ryzen 5〜7のミドルレンジ構成 |
| X670 | 高耐久・高冷却・拡張性最強クラス | Ryzen 7〜9、クリエイター・上級者 |
🎮 グラボ(GPU)を刺すスロットにも注目
GPUはPCIe x16(最上段)に装着するのが基本。ここはCPU直結で帯域が最大です。大型GPUが増えているため、金属補強(Steel Armor等)の有無やスロット間隔も要チェック。配信でキャプチャカード等を増設する場合、下段スロットが塞がれない構成計画が重要です。
- PCIe x16:GPU用のメインスロット(最優先)
- PCIe x4 / x1:LAN/USB拡張/キャプチャ等の拡張カード向け
- 補助:重量級GPUはGPUホルダーでたわみ防止
💾 メモリ(RAM)の規格と速度:DDR4-3200 / DDR5-5600の意味
DDR4とDDR5は互換性ナシ。マザボ側の対応規格に合わせる必要があります。「DDR4-3200」「DDR5-5600」の数字は動作クロック(MHz)=転送速度の目安。数字が高いほど速いですが、体感差はゲームよりも編集/レンダで出やすい印象です。
- 迷ったら:公式対応速度 or マザボQVLに合わせる
- 安定重視の目安:DDR4-3200 / DDR5-5600
- 高速メモリはBIOSでXMP(Intel)/ EXPO(AMD)を有効化
🧱 実例:筆者の使用ボード(B760)
MSI B760M Pro-A/D4(mATX・DDR4)を実運用中。Core i7-14700K+RTX 4060 Ti構成で配信・編集・ゲームとも安定。M.2×2、VRMヒートシンク、価格も手頃で初自作〜中級の定番として非常にバランスが良いです。
💡 おすすめマザーボード(価格帯別・2025)
| 価格帯 | モデル | 主な特徴 | 対応 |
|---|---|---|---|
| 〜15,000円 | ASUS PRIME B760M-A D4 | シンプル・扱いやすい・DDR4 | Intel 第13〜14世代 |
| 〜20,000円 | MSI B760M Pro-A/D4 | 拡張性・安定性バランス◎・DDR4 | Intel 第13〜14世代 |
| 〜25,000円 | ASRock B760M PG Riptide | NVMe×2・高耐久・RGB | Intel 第13〜14世代 |
| 〜30,000円 | GIGABYTE B650M DS3H | AM5・DDR5・高冷却 | Ryzen 7000系 |
| 30,000円〜 | ASUS TUF GAMING X670E-PLUS | 最上位クラス・拡張性◎・DDR5 | Ryzen 7〜9 |
⚠️ 初心者がつまずきやすいポイント(チェックリスト)
- CPUソケット不一致:LGA1700 / AM5など、対応表を必ず確認
- DDR4/DDR5取り違え:溝位置が異なるため物理的に挿さらない
- ケースサイズ不一致:ATX/mATX/ITXの対応をケース側で確認
- M.2の刺し位置:CPU直結(上段)とチップセット側で性能差あり
- CPU補助電源の挿し忘れ:24ピンだけで満足しない(8ピン必須)
- BIOS未更新:新CPU対応の有無を販売ページでチェック
- フロントパネル配線:+/-の向きとピン配置をマニュアルで確認
📚 まとめ:こう選べば失敗しない
- ソケットとメモリ規格(DDR4/DDR5)をまず揃える
- 用途に合わせてチップセットを選択(コスパ=B760/B650、拡張=Z790/X670)
- サイズはmATXが扱いやすく、初心者に最適
- GPUは最上段PCIe x16へ。補強・間隔・干渉も事前確認
- メモリ速度はDDR4-3200 / DDR5-5600あたりが安定。XMP/EXPOを活用
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