筆者がまだBTO(完成済み)ゲーミングPCを使っていたころ、当時は空冷クーラー構成で、FF14を長時間プレイするとCPU温度が80℃を超えることもありました。ファンの音がどんどん大きくなり、ケース全体が熱くなる。
それでも「こんなものかな」と思っていましたが、実は冷却不足が原因でした。
その後、自作PCを組む際に冷却構成を見直し、エアフロー設計と水冷クーラーの導入を意識したところ、温度・静音性ともに劇的に改善。
配信中でもCPU温度は70℃前後で安定し、高負荷時でもファンの音が気にならなくなりました。
この経験から感じたのは――
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目次
💨 冷却の基本「空冷」と「水冷」
PCを冷やす方法は主に 空冷 と 水冷 の2種類。どちらもCPUの熱を逃がすための仕組みですが、構造と特徴がまったく異なります。
| 冷却タイプ | 特徴 | メリット | デメリット | 向いている人 |
|---|---|---|---|---|
| 空冷 | ヒートシンクとファンで熱を逃がす | 安価・取付簡単・メンテ不要 | 高温時に騒音が出やすい | 初心者・コスパ重視派 |
| 水冷 | ポンプで冷却液を循環させる | 静音・高冷却・見た目◎ | コスト・設置難・メンテ必要 | ゲーマー・配信者 |
💧 水冷にも種類がある
水冷には大きく分けて 簡易水冷(AIO) と 本格水冷(カスタム) の2タイプがあります。
| タイプ | 構成 | メリット | 向いている人 |
|---|---|---|---|
| 簡易水冷(AIO) | ポンプ+ラジエータ一体型 | 静音・高冷却・メンテ不要 | 初心者〜中級者 |
| 本格水冷(カスタム) | チューブやリザーバーを自作 | 圧倒的冷却力・見た目最強 | 上級者・デザイン重視派 |
筆者が使用している NZXT Kraken 240 RGB はAIO型。出荷時にグリス塗布済みなので、別でグリスを用意する必要もなく、ムラや塗りすぎによる失敗がないのが嬉しいポイント。初心者でも安心して導入できる水冷クーラーです。
⚙️ 実際に温度はどのくらい違う?
筆者の環境(Core i7-14700K + RTX 4060 Ti)で比較した結果👇
- 空冷(中型クーラー):負荷時 80〜83℃
- 簡易水冷(NZXT Kraken 240 RGB):負荷時 68〜72℃
ApexやFF14を配信しながらプレイしても、水冷では温度上昇が緩やかでファン音も控えめ。静音性と安定性の差は明らかでした。
💧 空冷・簡易水冷・本格水冷、どれを選ぶ?
冷却方式は「性能」だけでなく「価格」「手間」「見た目」のバランスで選ぶのがポイント。
| タイプ | 概要 | 価格帯 | メリット | デメリット | 向いている人 |
|---|---|---|---|---|---|
| 空冷 | ヒートシンク+ファンで直接冷却 | 約4,000〜10,000円 | 安価・取付簡単・メンテ不要 | 高負荷時に騒音増 | 初心者・コスパ重視派 |
| 簡易水冷(AIO) | ラジエータ一体型 | 約12,000〜25,000円 | 静音・高冷却・見た目◎ | 価格やや高め | ゲーマー・配信者 |
| 本格水冷(カスタム) | チューブ・タンクを自作構成 | 約40,000〜100,000円〜 | 冷却最強・デザイン自由 | 難易度高・手間多い | 上級者・愛好家 |
💡 選び方の目安
| 使用目的 | おすすめ方式 | 理由 |
|---|---|---|
| 軽めのゲーム・作業 | 空冷 | コスパと静音性のバランスが良い |
| APEXやFF14の配信 | 簡易水冷 | 冷却と静音性のバランスが最適 |
| ハイエンド構成・4K編集 | 本格水冷 | 圧倒的な冷却と見た目の自由度 |
🌬️ ケース内の「空気の流れ」を意識しよう
冷却の効率を上げるには、ケース内の空気の通り道(エアフロー)が重要です。
- 吸気:冷たい空気を取り込む(前面・底面)
- 排気:熱い空気を外へ逃がす(背面・上部)
筆者の構成では、底面に吸気ファン×2(F120 RGB)、上部に排気ファン×1(ケース付属)というバランスで、配信中でもCPU温度は70℃前後をキープ。
🌡️ 温度の目安
| パーツ | アイドル時 | 高負荷時 | 注意ライン |
|---|---|---|---|
| CPU | 30〜40℃ | 70〜85℃ | 90℃以上=冷却不足 |
| GPU | 35〜50℃ | 70〜80℃ | 85℃以上=要改善 |
| SSD(M.2) | 30〜40℃ | 50〜60℃ | 65℃以上=ヒートシンク推奨 |
🚫 冷却でありがちな失敗例
- ファンの向きが逆で空気が滞留
- ケーブルがエアフローを塞いでいる
- グリスを塗りすぎて熱伝導が悪化
- 吸気より排気が強くホコリを吸い込む
- ラジエータの位置が悪くポンプに空気が溜まる
🧰 筆者の冷却構成まとめ
| 項目 | 構成内容 | ポイント |
|---|---|---|
| CPU | Intel Core i7-14700K | 高発熱CPUでも安定 |
| CPUクーラー | NZXT Kraken 240 RGB | グリス塗布済・静音性◎ |
| 吸気ファン | F120 RGB ×2(底面) | 下から効率よく冷気を取り込む |
| 排気ファン | ケース付属(上部) | 熱を自然に逃がす |
| ケース | P10 Black | エアフロー設計が優秀 |
| 結果 | 配信時 CPU 約70℃ | 静音・安定・高冷却 |
🧩 まとめ
- 空冷・簡易水冷・本格水冷は使い方と予算で選ぶのが正解
- 初心者は空冷または簡易水冷(AIO)がおすすめ
- NZXT Kraken 240 RGBのようなグリス塗布済モデルは失敗しにくい
- 冷却を意識するだけで、BTO時代より静かで安定した環境を作れる
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