【2025年版】PC冷却のすべて|空冷・簡易水冷・本格水冷の違いと選び方

【2025年版】PC冷却のすべて|空冷・簡易水冷・本格水冷の違いと選び方

筆者がまだBTO(完成済み)ゲーミングPCを使っていたころ、当時は空冷クーラー構成で、FF14を長時間プレイするとCPU温度が80℃を超えることもありました。ファンの音がどんどん大きくなり、ケース全体が熱くなる。
それでも「こんなものかな」と思っていましたが、実は冷却不足が原因でした。

その後、自作PCを組む際に冷却構成を見直し、エアフロー設計と水冷クーラーの導入を意識したところ、温度・静音性ともに劇的に改善。

配信中でもCPU温度は70℃前後で安定し、高負荷時でもファンの音が気にならなくなりました。
この経験から感じたのは――

「冷却こそ、パーツ性能を最大限に引き出す隠れた主役」


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💨 冷却の基本「空冷」と「水冷」

PCを冷やす方法は主に 空冷水冷 の2種類。どちらもCPUの熱を逃がすための仕組みですが、構造と特徴がまったく異なります。

冷却タイプ特徴メリットデメリット向いている人
空冷ヒートシンクとファンで熱を逃がす安価・取付簡単・メンテ不要高温時に騒音が出やすい初心者・コスパ重視派
水冷ポンプで冷却液を循環させる静音・高冷却・見た目◎コスト・設置難・メンテ必要ゲーマー・配信者

💧 水冷にも種類がある

水冷には大きく分けて 簡易水冷(AIO)本格水冷(カスタム) の2タイプがあります。

タイプ構成メリット向いている人
簡易水冷(AIO)ポンプ+ラジエータ一体型静音・高冷却・メンテ不要初心者〜中級者
本格水冷(カスタム)チューブやリザーバーを自作圧倒的冷却力・見た目最強上級者・デザイン重視派

筆者が使用している NZXT Kraken 240 RGB はAIO型。出荷時にグリス塗布済みなので、別でグリスを用意する必要もなく、ムラや塗りすぎによる失敗がないのが嬉しいポイント。初心者でも安心して導入できる水冷クーラーです。


⚙️ 実際に温度はどのくらい違う?

筆者の環境(Core i7-14700K + RTX 4060 Ti)で比較した結果👇

  • 空冷(中型クーラー):負荷時 80〜83℃
  • 簡易水冷(NZXT Kraken 240 RGB):負荷時 68〜72℃

ApexやFF14を配信しながらプレイしても、水冷では温度上昇が緩やかでファン音も控えめ。静音性と安定性の差は明らかでした。


💧 空冷・簡易水冷・本格水冷、どれを選ぶ?

冷却方式は「性能」だけでなく「価格」「手間」「見た目」のバランスで選ぶのがポイント。

タイプ概要価格帯メリットデメリット向いている人
空冷ヒートシンク+ファンで直接冷却約4,000〜10,000円安価・取付簡単・メンテ不要高負荷時に騒音増初心者・コスパ重視派
簡易水冷(AIO)ラジエータ一体型約12,000〜25,000円静音・高冷却・見た目◎価格やや高めゲーマー・配信者
本格水冷(カスタム)チューブ・タンクを自作構成約40,000〜100,000円〜冷却最強・デザイン自由難易度高・手間多い上級者・愛好家

💡 選び方の目安

使用目的おすすめ方式理由
軽めのゲーム・作業空冷コスパと静音性のバランスが良い
APEXやFF14の配信簡易水冷冷却と静音性のバランスが最適
ハイエンド構成・4K編集本格水冷圧倒的な冷却と見た目の自由度

🌬️ ケース内の「空気の流れ」を意識しよう

冷却の効率を上げるには、ケース内の空気の通り道(エアフロー)が重要です。

  • 吸気:冷たい空気を取り込む(前面・底面)
  • 排気:熱い空気を外へ逃がす(背面・上部)

筆者の構成では、底面に吸気ファン×2(F120 RGB)、上部に排気ファン×1(ケース付属)というバランスで、配信中でもCPU温度は70℃前後をキープ。


🌡️ 温度の目安

パーツアイドル時高負荷時注意ライン
CPU30〜40℃70〜85℃90℃以上=冷却不足
GPU35〜50℃70〜80℃85℃以上=要改善
SSD(M.2)30〜40℃50〜60℃65℃以上=ヒートシンク推奨

🚫 冷却でありがちな失敗例

  • ファンの向きが逆で空気が滞留
  • ケーブルがエアフローを塞いでいる
  • グリスを塗りすぎて熱伝導が悪化
  • 吸気より排気が強くホコリを吸い込む
  • ラジエータの位置が悪くポンプに空気が溜まる

🧰 筆者の冷却構成まとめ

項目構成内容ポイント
CPUIntel Core i7-14700K高発熱CPUでも安定
CPUクーラーNZXT Kraken 240 RGBグリス塗布済・静音性◎
吸気ファンF120 RGB ×2(底面)下から効率よく冷気を取り込む
排気ファンケース付属(上部)熱を自然に逃がす
ケースP10 Blackエアフロー設計が優秀
結果配信時 CPU 約70℃静音・安定・高冷却

🧩 まとめ

  • 空冷・簡易水冷・本格水冷は使い方と予算で選ぶのが正解
  • 初心者は空冷または簡易水冷(AIO)がおすすめ
  • NZXT Kraken 240 RGBのようなグリス塗布済モデルは失敗しにくい
  • 冷却を意識するだけで、BTO時代より静かで安定した環境を作れる

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